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2013年5月11日 (土)

エアバス操縦思想とFSXの奇妙な符合

 そうそう、次のミッションに移る前にこのネタを書いておかねば。
 
 そもそもパリ航空ショウデモ飛行ミッションに初挑戦した時、マニュアル操縦でそこそこうまく進んでいながら、途中から暴走した、という経緯を先に書きました
 
 ところが後で、これはFSXの暴走ではなく、エアバスの操縦思想の結果であったことが分かりました。 『いざ着陸となるとスラストは勝手に全開になるわ、操縦桿は言うことを聞かなくなって』という状態の時、A321のPFD(プライマリ・フライト・ディスプレイ)にA/THR表示が点灯したのに気付いていました。
 これは"Auto Thrust"の略で、A/P(オートパイロット)の速度や、TO/GAスイッチに関連しますが、これがボーイングと微妙に位置づけが違うようです。
 
 私が暴走だと思った時、A/Pは全オフでしたから、そもそもA/THRもオフでした。
 にもかかわらず、最後のル・ブルジェ空港のアプローチで勝手にスラスト全開になって、その際、マニュアルのレバーは全く無反応で、PFDにA/THR表示が出ていたのです。
 この時の私のアプローチは結構強引で、1000ftくらいから、そして滑走路に正対する為に「まぁ、ショウだから良いだろう」的に捻り込んでいました。 同時に"Too low terrain"や"pull up"も鳴っていましたから、どうやらA321のコンピュータはこの状態を失速、あるいは墜落寸前と判断し、自動回復処理に入ったのだと想像できます。
 だから、コントロール不能になったのではなく、言わば勝手にGA(ゴーアラウンド)モードに入っただけで、そうと分かっていれば再アプローチをすれば済む話でした。
 
 で、題名の奇妙な符合というのか、エアバスとボーイングの操縦思想の違いを検索していて当った1994年4月の名古屋空港での中華航空エアバスA300の墜落炎上事故。 もっとも分かりやすいのがこの記事かと思われます。
 
 この時はコ・パイがスラストスイッチ(エアバスの場合、レバーとは呼びにくい)を誤操作し、ゴーアラウンドモードに入ってしまったことが直接の原因で、さらにパイロットの本能的な操作でこのオートモードが解除できずにコンピュータと人とが相矛盾する機体操作に繋がりました。
 私のFSXでの自動回復モードとこれとを比較すると、A/Pは入っていない、という認識中に機体が意図しない動きをした、そしてそこから簡単には脱却できなかった、という点で共通点が見いだせます。
 
Paris41
 念のため貼付けたA/P稼働中のA321のコクピット画像を見ると、右上赤で囲った部分でA/PとA/THRがボタンで解除できるのが分かります。 私の例はともかく、中華航空の場合、それすらどうやらできなかった、つまりコンピューターが譲らなかったようにも読めます。
 その後エアバスは自動コントロールをパイロットが能動的に解除できるようにシステムを改めた、ともありますが、さてFSXでフォルトのA321はどうなっているのか。(ま、趣味の世界とはいえ、そこまで作り込んであるFSXが凄い、とも言えるんですけど)
 
 どちらにせよ、この文にもあるように、本来はマニュアルを熟読していれば防げた事故かも知れません。 でもFSXの場合、そんなマニュアルはありません。(チュートリアルのA321の項目にはそこまで詳細な記述は無し)
 
 てなことで、たかがFSXとはいえ、264名が死亡したリアルの事故まで思い出させた事象でした。
 
 あ、これはこちらで経験したA/Pの暴走とはまた違う話です。 これは単純にFSXの問題です。

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コメント

はじめまして>Noveさん
 改めてFSXのラーニングセンターでA321の項目を読み直しましたが、この独特のフェイルセーフについては触れられていませんでした。 ボーイング系に比べ、フラップを降ろした姿が繊細で、嫌いな機体ではないのですが、仰る通り、その癖故に縁遠くなってしまいました。
 ピーチのリペイントでもあればまたチャレンジしてみたいところですが... 

私も 同じ様な経験があります。APP中にいきなりフル・パワーになりA/THRを解除しようとしたのですが 押せばすぐ解除といかないみたいで そうこうしているうちに 速度超過でクラッシュ判定.... ピッチを十分上げなかったのも悪いのですけどね。 
 オーバーヘッド・パネル 左(だったかな)のFLT CTRを全部切るという事もできますが それではハイテク機の意味がなくなるので機能をよく理解するしかないのですが マニュアルを探してもなかなか見当たらず 最近ぜんぜん使っていない機材となりました...

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